仕事をするために必要なこととは

雇用は人件費の総額が限られています

経済が高成長を続けていれば、従業員の雇用は正社員も非正社員も同時に待遇改善が可能でしょう。
しかし、企業はギリギリのコスト削減を求められております。
人件費の総額が限られ、しかも正社員の待遇を極端に下げることはできません。
そのような状況で、不景気によるリストラ局面が来れば、企業ができる手法は限られてきます。
つまり、正社員があまりに強い権利を持つために、真っ先に非正規社員が切られる側面があります。
近年、好不況の波により、周期的に大量の非正規社員が発生しつつあります。
特に、バブル崩壊後の1990年代から2000年代初頭にかけて企業は新卒採用を大幅に絞ったために、その間に非正社員として働くことを余儀なくされた若者は多いのです。
いわゆるロストジェネレーションと言われている世代です。
バブル期であれば、企業が頭を下げて入社を請うような有名大学を卒業している非正規社員もおります。
ロストジェネレーションには「時代さえ違えば正社員だった」という不満が大いにあるのです。
このような状況から、今、企業の雇用において「正社員の既得権を崩せ」という指摘が、非正規社員や識者のあいだで上がり始めております。
正社員の解雇や賃上げをしやすくすることで、労働市場でのホワイトカラーの流動性が高まり、非正規社員も交えた人材の最適配分が進み、生産性も高まる可能性が高いとみているのです。
それが、産業構造の転換に結びつき、経済成長も実現可能となると予想しているのです。
じつは、正社員の既得権を崩そうという動きは始めてのことではありません。
2001年の就任後、小泉純一郎元首相は官邸に入ると、まず初めに他のどの省庁でもなく、厚生労働省の幹部を呼んで、派遣法の改正と正社員の解雇法制の見直しを指示しております。
ただし、これは2003年以降の景気回復過程で、求人倍率の急激な改善とともに、うやむやになってしまい、そして再び、未曾有の不景気となったことで復活したのが正社員の既得権はがしになっているのです。